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    多様な企業の集まり技術

    作り手インタビュー

    人の手でしかできないこと。

    ビジネススタイルがカジュアル化する時流に関わらず、ダレスバッグは誠実な印象が大切な、いわゆるカタイ仕事に就く人に根強い人気があります。
    多くの荷物を持ち歩く医師に使われたことから『ドクターズバッグ』とも呼ばれます。

    この鞄の特徴は荷物を出し入れしやすいこと。口枠という部品が入っているので、開口部を大きく開閉できるんです。
    きつすぎず緩すぎず、ほどよく閉まるようにするには職人の手作業が欠かせません。

    素材の厚みも考慮して外寸と内寸を出しますが、アルミフレームに皮革を貼ったり他のパーツと組み合わせたりするうちに、わずかなズレが生じてしまう。
    仕上げの工程で一本一本、ミリ単位の調整をすることで、ぴったりと閉まるようになるんです。

    蓄積した技術は財産。

    ある鉄道会社から運転手と車掌専用のアタッシュケースを請けたことがあります。
    同等サイズの標準的な重量が2kg以上のところ、1.6㎏以内でという条件付きです。9kgの荷物を運ぶための強度を考えると、実現可能かギリギリの線でした。

    下地には軽い桐材を選び、薄くても破れない皮革や接着剤を研究しました。
    鞄メーカーには珍しいようですが、自社に『木工部』があるのが、わが社の強みです。
    発注主の要望・予算・納期を実現するためのすり合わせをスピーディにできますから。

    広告代理店や映像制作会社からの風変わりな依頼も時々あります。
    例えば、2階の窓から何度放り投げても壊れないトランクケースとか、まだ世の中にない鞄を作ってほしいといったものです。
    そのたびに試行錯誤を繰り返し、何とか形にしてきました。
    ハードルの高い注文に応えることで蓄積してきた技術は、会社の財産になっています。

    3Dの世界で培った技で新境地へ。

    キャディーバッグの9割9分以上が海外製品です。
    国内のメーカーは減り続けていまして、ココと埼玉県の3社だけになっていると思います。
    一般的な鞄が2Dとしたらキャディーバッグは3Dの世界。
    パーツの数が多くなりますし、型紙も難しいので、採算が取りづらいのでしょう。

    通称「ジャンボ」と呼ばれるアームの長い特殊ミシンも必要です。
    分厚い素材や段差を物ともせず、高さのある筒状の底部を縫うことができるんです。
    今、こういった特殊な設備や技術を生かし、「ランドセル」という新分野に挑戦しています。

    オリジナルブランドのバッグを生み出す時には、シンプルな中にもさりげない個性を出したいと考えています。
    そのためにも重要となる素材は、なるべく自ら足を運んで選ぶようにしています。
    皮革なら兵庫県には姫路や龍野など国内屈指の産地があり、ここから車で2時間も掛からないんですよ。
    顔を合わせて話せば相手の熱量が分かりますしね。
    気軽にタンナーを訪ねられるなんて、恵まれた環境です。

    10年ぶりのチャレンジ。

    いつかはオリジナルが作りたい。
    そう思いながら、長年、OEMに徹してきました。

    今回は、豊岡のメーカーに多いビジネスバッグ以外のジャンルでというのが出発点でした。
    デザイナーに『ユニセックスで薄いカジュアルバッグ』『一風変わった形状』といった構想を伝え、上がってきたラフスケッチを元にサンプル作りに取り掛かりました。

    しかし、そう簡単には進まず、例えば、コバ処理を一つのアピールポイントにしたくて、2枚の生地を合わせて上から縫う『外縫い』にする予定でしたが、イメージしていたような膨らみが出なかったので、裏から縫ってひっくり返す『袋縫い』に変更するなど、少しずつブラッシュアップしていきました。

    普段はお客様の希望を形にするのが私たちの仕事であり、時には強度の問題などをクリアするため微調整をご提案することもあります。
    OEMの仕事で鍛えた提案力を自社商品の改良に生かせたのではないかと思います。


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